研究塾 へ 「ようこそ」
     五段返り研究塾へようこそ!   いよいよ「五段返り」に挑戦しよう。「連理返り」の研究が役に立つ筈である。
「機功図彙」の研究
  
「連理返り」研究塾と同じように「機功図彙」の研究から始めよう。
 「五段返り」は14頁にわたり掲載されているが、研究に特に必要な三枚を掲げる。
 これは、最初の1枚で、人形の動作や構造が良くわかる図である。

右側の図は動作を表している。台の上で後に反り返り両手をつく。その後、足を上げて回転し下の段に降りる。また、後に反り返り・・・という動作を行って、順次階段を降りていく。

 左側は、人形の構造図で、「胴体」、「手」、「足」そして「足のつっかい棒」がある。手や足の付け根の円盤や半円は、手足の動きを規制する「ストッパ」や手足を連動させる糸を巻き取る「糸巻き」である。「連理返り」で人形どうしを結んだ糸の役割と考えればよい。
 右側の図は、後ろに反り返った結果、仰向けの状態で両手、両足をついている。
 左側の図は、次の動作に移っている。両手をついたまま、足を上げて、下の段に向かって回転をしている図である。
      右側の図は、回転が終わり、手をついた状態で階段を降りるところ。これより、最初の図に戻り、同じような動作を行う。
 此処まで見ると「連理返り」と共通性があることがお分かり頂けるであろう。
 即ち、「連理返り」の前後の人形がそれぞれ手と足になっていて、階段一つで処理をしている」と考えればいいのである。(本当は、「五段返り」の方が先に考案されたのだろうが・・・。)
「五段返り」の考察     「連理返り」の知識を応用して「五段返り」を考えてみよう
 「機功図彙」に載っている「連理返り」の図である。

 階段を使って引合棒に傾斜をつけている。
 「機功図彙」に載っている「後へそり手をつきたる図」の拡大図である。
 台の上で両手、両足をついている。この状態で、胴体に傾斜をつけている。上の図と比較すると、人形が手足、引合棒が胴体、手足の取付けは胴体の真中につけない「匠の技」となっていることがわかる。
(「匠の技」については、「連理返り」知識編を参照してください。)
 こうしてみると難しいと思った「五段返り」も「連理返り」とあまり変わらないことが理解できると思う。ひとつ難しそうに見えるのが間接を持つ足である。つっかい棒により足が倒れないようにしている。
「五段返り」の動作
 1.は、階段で立っている状態を示す。緑丸が腕の間接、赤丸が足の間接である。
 2.は、足はそのままで、足の間接を中心として胴体及び腕がくるっと回転している状態を示す。手及び足のついている面は同じ高さである。
 3.は、の位置はそのままで、腕の間接を中心として胴体及び足がくるっと回転し、下の階段に着地する。

 この状態を繰り返して階段を降りていく。
「五段返り」の力学       立っている時の回転モーメント
 立っている時の回転モーメントを調べる。足の間接(赤丸)が回転中心となる。

 1.は、手・腕の重さで、足との距離をAとすると、回転モーメントは、
   「1*A」である。
 2.は、胴体の重さで、足との距離をBとすると、回転モーメントは、
   「2*B」である。
 4.は、重りの重さで、足との距離をCとすると、回転モーメントは、
   「4*C」である。

 手・腕、胴体の重さによる回転モーメントは、反時計回りである。
 重りの重さによる回転モーメントは、時計回りである。
 赤丸を中心として時計回りに胴体や手・腕が回転するためには、次の式が成立する必要がある。

 1*A+2*B < 4*C

 この式が成立すると赤丸を中心として回転し、次の状態に移行する。
 なお、手・腕は糸で足と結ばれており、胴体の回転とともに回転するので、回転モーメントへの影響を考慮すること。
「五段返り」の力学    手・腕及び足を階段の面についている時の回転モーメント
 続いて、手・腕及び足を階段の面についている時の回転モーメントを調べてみよう。腕の関節(緑丸)が回転中心になる。

 足の重さによる回転モーメントは、「3*D」である。
 胴体の重さによる回転モーメントは、「2*B」である。
 重りによる回転モーメントは、「4*C」である。
 緑丸を中心として、足及び胴体が時計回りに回転するための条件は、

   3*D+2*B < 4*C   である。

 なお、足は糸で手・腕と結ばれており、胴体の回転とともに回転するので、回転モーメントへの影響を考慮すること。
 
「五段返り」の力学    足の間接について
 「五段返り」を難しくしているものに足の間接がある。これについて考察してみよう。
 1.は「機功図彙」に載っている足の構造である。間接があり、支え棒で支えられている。図を見ると、うまく安定するからくりになっていることがわかる。
 2.は、間接をなくした「からくり人形」の足の構造である。構造が簡単化されている。
 1.より2.の方が作り易い。しかし、1.には構造的にも動作的にも面白さがある。
試作  1号機      足の部分に間接をつけない簡単な試作機を作ってみよう
 台の上に載せた試作1号機。丸いリングは手足を連動させる「糸巻き」である。「機功図彙」では胴体に沿ってつないでいるがこの方が動作はスムーズである。
 重りは水銀ではなく「鋼球」であり、工作が簡単である。但し、ゆっくりとした動きはむつかしい。
 台の上で仰向けに手をつき、足が浮き出す状態である。(レスリングでいうブリッジ状態になっている。)
 台を降りたところ。(お尻のところに見えるのは写真撮影のためのストッパ。)
 後に反り返り、手をつき、足を上げ回転している状態。(頭のところの黒いものは写真撮影のためのストッパ。)
 回転が終わるとこのような形になる。改良点はあるが基本的には思ったよりスムーズに動いた。
試作  2号機      足に間接を持つタイプの試作機
 台の上で立っている状態。支え棒によって体が支えられ、この状態で静止できる。
 後に反り返って手と足をついている状態。
 茶色に見えるのはフェルトのシートで、クッションと滑り止めの役目を担っている。
 階段を降りたところ。このまま後に回転する。この降りた位置は、オリンピックの体操競技ではないが重要である。
 そのまま後に反り返って手と足をついた状態。これより腕の関節を回転中心として回転する。
 この時、胴体の回転に連れて足も回転し、上の階段にぶつかることが結構ある。(降りた位置が重要と言う意味はここにある。)
 回転の終了時。足が当たらず、無事回転が終了するとこのようになる。お疲れ様でした。
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